削除したデータを戻せる期間は、SharePoint と OneDrive が93日、メールが既定14日(最大30日まで延長可)です。 この期間を過ぎると、標準の機能では戻せません。2026年11月時点の公式資料にもとづいて、場面ごとの期間と、バックアップの考え方を整理します。
この記事は、個人による非公式の解説です。仕様は変わる可能性があるため、作業の前に、末尾の「参考」の公式資料を確認してください。
戻せる期間の一覧
| 場面 | 戻せる期間 | 戻す場所・方法 |
|---|---|---|
| SharePoint・OneDrive のファイルを削除した | 削除から93日(サイトのごみ箱から、サイトコレクションのごみ箱へ移り、残りの日数まで残る) | ごみ箱から復元する |
| OneDrive 全体を、ある時点に戻したい | 直近30日(Microsoft 365 の利用者向けの機能で、組織で使える場合) | OneDrive の設定の「OneDrive の復元」 |
| メールを削除した(削除済みアイテムも空にした) | 既定14日。メールボックスごとに最大30日まで延ばせる | Outlook の「削除済みアイテムの回復」 |
| 退職者のアカウントを削除した | 約30日 | アカウントを復元する |
| 退職者のライセンスを外した | メール・連絡先・予定表は30日保持され、そのあと完全に削除される | 30日以内に、ライセンスを再び割り当てる |
「93日」は、削除した日からの合計日数です。公式資料によると、ごみ箱の保持期間は、管理者が設定を変えていない限りこの日数で、組織で変更されている場合があります。
OneDrive を、ある時点に戻す
大量のファイルが誤って削除された、または、ランサムウェアなどで暗号化された、といった場面では、ファイル単位ではなく、OneDrive 全体を戻したいことがあります。公式資料は、次の機能を案内しています。
- OneDrive の設定から「OneDrive の復元」を開き、日付を選ぶ
- 活動のフィードを確認して、戻したい時点を決め、「復元」を実行する
- 復元の時点より後に作られたファイルは、OneDrive のごみ箱へ移される
- 戻せるのは、直近30日の範囲
職場・学校のアカウントでは、組織が対応している場合に使えます。使えない場合は、管理者に確認してください。ファイル単位なら、以前のバージョンへ戻す方法もあります。
メールの削除済みアイテム
Exchange Online では、削除したメールは、次の順に移ります。
- 「削除済みアイテム」フォルダー
- 「削除済みアイテム」からも削除すると、非表示の「回復可能なアイテム」フォルダー(Deletions)へ移る
- 保持期間(既定14日、最大30日)が過ぎると、Exchange Online から削除される
利用者は、Outlook や Outlook on the web の「削除済みアイテムの回復」で、この期間内のメールを戻せます。単一アイテムの回復が有効な場合は、利用者が完全に削除したアイテムも、保持期間内は、管理者が回復できます(eDiscovery などのツール)。
ほかにも、次の点があります。
- 回復可能なアイテムのフォルダーには、容量の上限がある。既定の上限は、警告20GB、上限30GB。訴訟ホールドなどの保持がかかると、90GB・100GBに拡張される
- 上限に達すると、利用者がアイテムを削除できなくなるなどの影響が出る
- ユーザーが作成したフォルダーを Shift+Delete で削除すると、フォルダー自体は回復できない(中のアイテムは、14日間回復できる)
保持期間と、バックアップは別のもの
ここまでの期間は、「誤操作の取り消し」の仕組みです。ランサムウェア、悪意のある削除、アカウントの乗っ取りなど、期間を過ぎてから気づく事故には、足りない場合があります。
Microsoft の資料は、データとアイデンティティの責任は、すべての種類のクラウドで、お客様にある(共有責任モデル)と説明しています。Microsoft 365 Backup の FAQ でも、データ保護についての共有責任の考え方は、変わっていないとされています。
別途バックアップを検討する場合の選択肢は、次のとおりです。
- Microsoft 365 Backup:特定の時点へ戻せる機能。提供範囲や費用は、公式資料で確認してください
- サードパーティ製のバックアップサービス:Microsoft 以外の事業者が提供するもの。選ぶときは、対象(メール、SharePoint、OneDrive、Teams)と、復元の方法を確認する
バックアップは、取れているだけでは足りません。実際に戻せるかを試すことが大切です(復元の訓練)。
自社の場合を考える
次の問いに答えると、バックアップが必要かどうかが見えてきます。
- 93日・14日より前のデータを、戻す必要がある業務はあるか(法定の保存期間、取引先への報告など)
- ランサムウェアで、OneDrive の多数のファイルが暗号化されたら、30日以内の復元で足りるか
- 管理者のアカウントが乗っ取られて、データが削除されたら、どう戻すか
まとめ
標準の保持は、「誤削除の取り消し」です。まず、自社が戻したいデータ(メール、SharePoint、OneDrive)ごとに、標準の機能で戻せる期間を、確認してください。 その期間より長く必要なデータがある場合は、別途のバックアップを検討します。
自社の設定の全体を確認したい場合は、M365・社内IT 自己点検(16問・約3分・無料)も使えます。「削除したファイル・メールを元に戻せる期間を把握していますか」という設問が含まれています。
参考
2026年11月時点で確認した公式資料です。
- How the recycle bin for a SharePoint site works:https://support.microsoft.com/en-us/office/how-the-recycle-bin-for-a-sharepoint-site-works-5fa924ee-16d7-487b-9a0a-021b9062d14b
- Restore your OneDrive:https://support.microsoft.com/en-us/onedrive/restore-your-onedrive
- Recoverable Items folder in Exchange Online:https://learn.microsoft.com/en-us/exchange/security-and-compliance/recoverable-items-folder/recoverable-items-folder
- Shared responsibility in the cloud:https://learn.microsoft.com/en-us/azure/security/fundamentals/shared-responsibility
- Frequently asked questions about Microsoft 365 Backup:https://learn.microsoft.com/en-us/microsoft-365/backup/backup-faq?view=o365-worldwide
- Remove a former employee - Overview:https://learn.microsoft.com/en-us/microsoft-365/admin/add-users/remove-former-employee?view=o365-worldwide